アンコントロールのslowのレビュー・感想・評価

この警官vs市民の構図は、まるでデンマーク版『レ・ミゼラブル』（2019）。規模を比べてしまうと小品の域は出ないけれど、知られざる実態をじわり見せられているという恐ろしさはある。既視感の理由はそれだけではなくて、本作冒頭にBML運動の発端（というか引き金か）となったあの事件を彷彿とさせるシーンがあり、スムーズな感情移入もその理由のひとつだと思う。見応えはそれなりにあるけれど、これに新鮮味を感じなくなってきていることをどう受け止めるべきか。