まったく、ユ・アインは自分のブランド価値を高めるのがうまいな、と毎回ほれぼれしてしまう。自身の演技力の引き出し方を知ってか知らずか、挑戦する課題が毎回良い。
笑えるシーン、心痛むシーン、不安募るシーン、すべて中途半端なものではないのでとてもよかった。犯罪をコミカルに描こうとはしていなくてれっきとした犯罪映画なのだけれど、総合的に楽しい映画になっているのに驚いた。
クライマックスで「うーーーっ」となった後にまたひと笑いさせてくれたので、てっきり幸せな終わりが来ると思っていたのだが。だいぶ余白をのこした終わり方だったけど、どうなるのかもう少しヒントでいいから与えてほしかったなぁと思ってしまう映画だったな。それほど登場人物の幸せを願ってやまない映画だった。
犯罪にそれぞれプロがいて、マニュアルみたいなのがあるのが面白いディテールのひとつひとつや、不法に死体遺棄をしておきながら北枕とかちゃんと安らかに眠れるように考えてあげてる人間性の描き方が素敵。
初長編の監督とは知りながら映画を観たけど、女性ということは後から知った。なんてかっこいいんでしょう！この路線で描き続けてほしいなと思う。
韓国の子役教育って一体どうなってるの⁉︎と思わせてくれる子役の才能の豊富さが素晴らしいです。チョヒが素晴らしいのはもちろんのこと、ムンジュも普通の子にはできないだろうな、という何気ない表情がすごくよかった。次世代を担う俳優の教育まで完璧だなんて恐るべし韓国エンタメビジネス…
