kazu1961

声もなくのkazu1961のレビュー・感想・評価

声もなく(2020年製作の映画)
3.9
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-321
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋先日観た『ベイビー・ブローカー』と一緒の韓国の闇、社会問題を抉り出しています。貧困格差そして児童誘拐と児童人身売買。。。貧しさゆえに闇の仕事を手伝う2人の男(口の聞けない青年: ユ・アイン、彼の相棒: ユ・ジェミョン)が、誘拐された少女(ムン・スンア)を預かったことで予期せぬ事態に巻き込まれる、そんな物語。特に口の聞けない青年と、誘拐された少女の織りなすドラマに魅入ってしまいます。

🖋延々と続くコミカルさに麻痺しながら、その中身はとてもシニカル。この韓国に蔓延る社会問題をあっけらかんと描く様はホン・ウィジョンという新鋭監督の絶妙な演出があってこそ。全く声の出せない青年ならではの心情描写と、逃げ出したいのに、誘拐されながらその青年に信頼をおいていく少女の心の微妙な変化も見事に描いています。

🖋結局、声の出せない青年と誘拐された少女の束の間の家族ごっこがあまりにも幸せそうな反面、シニカルに描かれた現実とのギャップがとても切ないです。。。

🖋声なき青年を演じるユ・アインは15キロも増量して表情で見事に心情を訴えてきます。この演技も見どころです。

🖋ユニークな演出と個性的なキャラクター描写で、切なさとアイロニーの入り混じった。。。エンディングも観客に何かを感じさせる余韻を作ったそんな終わり方、心にズンと残るものがある作品でした。

😢Story:(参考: Amazon)
貧しさゆえ、犯罪組織からの下請け仕事である死体処理で生計を立てる口のきけない青年テインと片足を引きずる相棒のチャンボクは、身代金目的で誘拐された11歳の少女チョヒを、1日だけ預かることになる。トラブルが重なり、テインとチョヒの疑似家族のような奇妙な生活が始まるが、チョヒの親から身代金が支払われる気配はなく…

🔸Database🔸
・邦題 :『声もなく』
・原題 :『Voice of Silence』
・製作国 : 韓国
・初公開 : 2020
・日本公開 : 2022/01/21
・上映時間 : 99分
・受賞 : ※※※
・監督 : ホン・ウィジョン
・脚本 : ホン・ウィジョン
・原作 : ※※※
・撮影 : パク・ジョンフン
・音楽 : チャン・ヒョクジン、チャン・ヨンジン
・出演 : ユ・アイン、ユ・ジェミョン、ムン・スンア、ユ・ソンジュ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
闇の仕事を請け負う口のきけない青年と、両親に身代金を払ってもらえない孤独な少女の交流を描いた韓国発のサスペンスドラマ。「バーニング 劇場版」のユ・アインが新人監督ホン・ウィジョンとタッグを組み、2021年・第41回青龍賞で主演男優賞と新人監督賞を受賞した。口のきけない青年テインと片足を引きずる相棒チャンボクは、普段は鶏卵販売をしながら、犯罪組織から死体処理などを請け負って生計を立てていた。ある日、テインたちは犯罪組織のヨンソクに命じられ、身代金目的で誘拐された11歳の少女チョヒを1日だけ預かることに。しかしヨンソクが組織に始末されてしまったことから、テインとチョヒの疑似家族のような奇妙な生活が始まる。相棒チャンボク役に、テレビドラマ「梨泰院クラス」のユ・ジェミョン。
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