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Our Children(英題)の映画情報・感想・評価・動画配信
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目次
Our Children(英題)が配信されているサービス一覧
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Our Children(英題)が配信されていないサービス一覧
『Our Children(英題)』に投稿された感想・評価
ukigumo09の感想・評価
2021/03/02 10:52
3.5
2012年のヨアヒム・ラフォス監督作品。ベルギー出身の彼の作品は日本で劇所公開されたものは一つもない。しかし彼の映画には「私的領域とその限界」という一貫したテーマがあり、彼の作品を英語タイトルにすると3作品に「プライベート」という語が入るのもその表れだろう。物語としては「地獄への道は善意で舗装されている」という格言が実践されているのが特徴だ。
ラフォス監督にとって長編5作目である本作『Our Children』はカンヌ国際映画祭のある視点部門の最優秀女優賞やマグリット賞の作品賞、監督賞、女優賞など数多くの賞を受賞している。その反面、この作品は2007年に起きたジュネヴィーヴ・レルミット事件を基にしているので注意も必要だ。この事件は精神を病んでいた女性が夫の留守中に子供たちを全員殺してしまうというものである。映画化の際には、事件から数年しか経っていないので子供の父親など関係者は当然生きており、「私の子供たちの記憶への侮辱であり、私には忘れられる権利がある」とこの作品の制作には批判的であった。
冒頭ベッドに横になっており、鼻には酸素チューブが付いている女性が泣いているのが映される。この女性が本作の主人公ミュリエル(エミリー・ドゥケンヌ)だ。見舞いに来た夫ムニール(タハーム・ラヒム)に対して涙を流しながら「モロッコで埋葬してあげて」と繰り返し頼んでいる。その後のカットで4つの小さな四角い箱が飛行機に積み込まれるシーンに変わる。レルミット事件のことが頭にあれば、ミュリエルが事件後に自殺に失敗し今病院にいることや小さな四角い箱が子供たちのための棺であることも分かるだろう。事件の後から始まるこの作品は事件がどのように起こったかをスリリングに描くことを目的にしているのではなく、ミュリエルという女性が子供を殺してしまう理由や境遇に目を向けたものとなっている。
物語はすぐに時制をミュリエルとムニールの結婚前に戻し、情熱的に愛し合っている場面が描かれる。高校教師のミュリエルとの結婚を考えていた医学生ムニールだがなかなか言い出せない。そんな時にアンドレ・パンジェ医師(ニエル・アレストリュプ)が背中を押してくれる。彼はモロッコの貧しい家庭で育ったムニールを引き取り息子として育てていたので、強い関係性を築いていた。無事結婚した2人はアンドレと3人で暮らすことになる。ミュリエルはアンドレに気に入ってもらおうとするがなかなか距離が縮まらない。ミュリエルは優しく貫禄のあるアンドレを威圧的に感じてしまうことすら自分の責任としてしまう。そんな中、夫婦には女の子が生まれる。アンドレも子供の面倒を見てくれて楽しそうである。ミュリエルはすぐに2人目、3人目を妊娠し、出産する。このころになると目に見えてミュリエルの笑顔が減り、精神的に参っているのが分かるだろう。
この映画では愛は服従へ、家は牢獄へと変化する。実際、ミュリエルがアンドレといるときの屋内の空間には、画面内に柱やドアが映り込み、狭さや圧迫感が表現されている。ある種の優しさは暴力よりも破壊的であるというのはこの映画の最後でも示されるが、正に地獄への道は善意で舗装されているを地で行っている。覚悟のいる作品ではあるが、一見の価値はあるだろう。
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niの感想・評価
2020/11/28 12:47
-
2時間弱かけてじりじり積もっていく。育児家事生活全部からくる疲れストレス苦しさ、原題À perdre la raison状態。マグリッド映画賞10周年記念のオンライン映画祭にて。
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