すごくいいところとイマイチなところが混ざった結果のスコア。
ただのテキストだった「ワーニャ伯父さん」が、徐々に彼らの感情とリンクしていく。なぜ異国語を用いるのか、家福の演劇論が説明すれどなかなか肌身では実感ができなかったのだけど、ラスト、ワーニャを包み込むソーニャ(を演じた韓国の女優さん、めちゃくちゃ綺麗!)の手話に涙すると同時に、この脚本の巧みさに改めて感服した。
そして三浦透子が素晴らしい。
刺さらない演技で終わってしまった感のある西島秀俊や三浦春馬に対して、黙した中に垣間見える感情の揺らぎの表現は見事だった。
彼女のドライブは今までになかった希望を携えてこれからも続く。いろんな想像をさせるラストの彼女もとても良かった。
ドライを装いながら実は異常な執着を感じさせるセックスというワードの使い方やオーガズムの先にある物語が「いかにも」すぎる村上春樹臭(ファンの人ごめんなさい)はやはり苦手。
そして今作いちばん狂気を感じさせたのは、演劇祭を運営するあの女性だったと思うのは私だけ?