えリス

ドライブ・マイ・カーのえリスのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2回観ました

風通しの良い構図が多くて気持ち良かった
前半はずっと、何が起きてもなんとなく生温い膜みたいなのに包まれてる感じやなと思ってた
多分ぬくみのあるBGMとか、ずっと鳴ってる車の駆動音とか、高速のオレンジっぽい明かりとか、音さん(魅力的すぎ)の湿った雰囲気とか住んでる家のお洒落さとか、ほぼずっと良い天気とか、そういう細かい要素が集まってそう感じたんかなと思う
お洒落な人ってなんで枯れたでっかい枝をでっかいガラス瓶に入れて飾るんですかね?

家福さんとみさきがゴミ処理場見に行って海辺に出た瞬間2人ともタバコ取り出すシーンかっこよかったな
広島行きたくなった(家福さんが泊まってた島のお宿が良さそうすぎる)

大雨が降るのが法事のシーンと後半北海道に向かうシーンだけ(多分)なのって意図的ですよね
北海道編はBGMもなかったり、雪の中で急に殺伐とした雰囲気になって、そこでなんとなく、
前半の温さって家福さん(西島さん)が日常と自分と妻を壊したくなくて、自分の悲しさとか悔しさとかをやり過ごしてなんとか取り繕ってたものやったんかもなって思った
家福さんの感情の発露が雨になってたのかも

最初から最後まで、ワーニャ伯父さんの台詞と演じるキャラクターそれぞれの人生とが重なっては離れてを繰り返していく感じ
特に韓国手話の方のシーンは、音がないからなのかすごく胸に迫った
表情も本当にかっこよかった

高槻は家福さんに言わせれば「自分をコントロールできていない」けど、それが家福さんに足りなかったもので
高槻が衝動的に人を殴り殺して逮捕されて、清々しい表情で去って行くのを見た時、家福さんはちょっと羨ましくなったのではと思う
それがきっかけになって、みさきと一緒に自分に向き合う旅に出られたんやもんな

家福さんはみさきのこと、娘と重ねてるんかな?
お互い秘密の共有者で、強い絆を感じるようになって、でも恋愛にはならないのではと思うけどどうなんやろ

最後のシーン意味深ですね
家福さんとみさきは北海道の旅を通してある意味「開き直り」をして、お互いこれからも生きていきましょうってなってると思ったから
みさきが今回の公演を通じて韓国に興味を持って、色々吹っ切れたし韓国で暮らしてみようと思った時に
家福さんがみさきなら絶対大事に乗ってくれるからってサーブを贈って、家福さん自身も新たな人生歩むために別の車を買った というところまで想像しました
えリス

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