Wakana

ドライブ・マイ・カーのWakanaのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
5.0
最高だった死んだ

(9/11追記)
三週間後くらいに二回目を見た。初回はなんにも言葉が出てこなかった(が、見たことはすぐにでも共有したかった)けど、その後原作をさらって、『ワーニャ伯父さん』まで読んで、二回目はもう少し冷静になって見ることができた。
この映画にここまで感動するのは、『ワーニャ伯父さん』のテクストの力も絶対あって、第四幕のソーニャの素晴らしさったらもうほんとうに何回見ても飽きないというか同じだけ深くふかく心打たれる。

二回目だけあって少しだけ覚え書き。
妻の浮気に傷ついたことを認めることができた家福はよかったが、妻が浮気することを「そういう人だったから」という流れに持っていくのはちょっと無理があった。そこで子どもの喪失に触れないのは違和感でしかない。
そういえば家福は妻、みさきは母、高槻はパパラッチ男を間接的に〈殺して〉いることに鑑みると、「わたしが殺した」と何回も叫ぶ物語を語った音は娘を〈殺した〉と思っていたのかも。そしてそれを共有できなかったところに浮気のポイントがあるはず……。
やっぱり不思議なのは、夫妻は同じ〈自分の子ども〉を失ったはずなのに、音の方が何かを損なった感じを強調されること。たしかに生物学的に女性の方が子どもと一緒にいる時間が長くなるということはあるのだけど……。
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