あらすじはさておき、実際のところ家福のような人は多いのではないかしら。
流れていく日々の中、突然おこる悲しみ、辛い気持ちまで流してしまった方がいいというか、本音と向き合わないというか、これを折り合いと言ってしまっていいのか。。
後々、うまく処理できない心の内に気づいているけど、悲しい時に悲しい、辛い時に辛いとしっかり感じて、誰かに受け止めてもらうのがすごく大事に感じる。
音も娘の死がうけとめきれず、いやうけとめることなんかできやしないが、揺れ動いている気持ちを、実際家福はどれだけ音に寄り添う事ができたのか?
やはり、突然というのは長い年月をかけないと折り合いがつかないのだなと感じた。
あと、物語の中に物語を忍び込ませ、心の中を言葉にするのが印象的。
それぞれ違う人生なのに、戯曲の言葉で一気に共通点ができる不思議。
観る人にもそれぞれの人生を重ねる事ができる映画だった。