桃

ドライブ・マイ・カーの桃のネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

3時間どうかなーと懸念しながら鑑賞しましたが、最後までダレることなく楽しめました。
村上春樹さんの世界観ながら、濱口監督の演出で視覚的、聴覚的にも独特な美しさがうまくマッチされています。

多言語混じりの演劇は初めて観た。
ネットで調べてみると東京外国語大学が学園祭で披露しているものが実際にあるそう。
コミュニケーションの多様性をアーティスティックに表現していて面白い。
本の読み合わせシーンなんか普通にみてもつまらないものだろうけれども、多言語劇の読み合わせだと新鮮にみれる。

また、舞台の瀬戸内海とドライブシーンの絵が良くて、これは広島にドライブに行きたくなる人が増えるでしょう。

俳優陣も皆さん独特な魅力を放っていましたね、みさき役の三浦透子さんや、韓国手話でラストを彩るパク・ユリムさん。
高槻役で狂気をみせた岡田将生さん。
(広島編の公演担当の女性役の阿部聡子さん
も役柄含め気になった。)

登場人物はそれぞれどこか後ろめたい過去と弱い自分を抱えていて、本当はある種の"告解"する時を求めている。
近しい人に、或いは出会ったばかりでも信用出来る自分と似た誰かに。

チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』を作品中の劇の題材とされているが、それもどこか作品自体も並行するように進行する。

下記のようなメッセージがストーリー、戯曲(プラス 音の物語も?)と通じて伝えられている。

真実を受け止めよう
自分がまずは弱い自分を受け入れられないと、相手のことも受け入れられない
どんなことがあっても生きていこう
辛くても頑張って生きぬいた人こそ報われるべきだ
桃