れもなぎと恋を

ドライブ・マイ・カーのれもなぎと恋をのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
-
見た後すぐ何か書くべきかと思ったけど、案外書けなかったから。今。
みんなうだうだフィルマークスで語ってて、羨ましくなったので、私なりにうだうだ語ってみる。

ずーっと車に乗っている気分だった。
うちの車は、ちょうど映画と同じ、左ハンドルのマニュアル車なのですが、東京から岡山にあったおじいちゃんの家まで、何度か車で行ったことがあって、それを思い出していた。ぐーん、ごごご、ぶおおおお。
家福さんが言っていたように加速と減速が心地いい感じをこちらも体験する。車と映画のちょっと似たところ。似たような椅子で、私は動かないのに、景色は変わって、振動する。いい映画なら風も吹くし、匂いだって感じる。気温も、湿度も、背中の汗ばみかたは、ちょうど同じくらい。
映画が終わって、劇場から出ていく時の肩や背中のコリかたまり具合も、同じ種類のものだった。

鑑賞中には、正直あまり没頭していた感じはなくて、俳優さんとか、撮影の仕方とか、整音が綺麗だとかそんなことばっか考えていた。3時間は長いなとか考えてしまったし、ああ、あんまりハマれなかったのか、寂しい、とかそれくらい考える余裕があった。でもこれは、わざとそのくらいの余裕を残していたのかしら、とか思ってた。

映画を見たというより、車に乗っていた。
もっというなら、私たち鑑賞者は、フロントミラーとかワイパーとか速度計とか鍵とか、そんなような車の一部になって、話を聞いていた。そして見てしまった。
(それでいくと透子さんも、運転手という車の一部?)

でももうこれ以上どこにもいけない感じがしちゃった。
これ以上道はないのかしら。

これ(#)は拝借。どうしても言いたかったー