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ドライブ・マイ・カーのwksgknchのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

カンヌで脚本賞など受賞し、逆輸入的に盛り上がったドライブ・マイ・カー。
監督は濱口竜介さん、東大から藝大という経歴凄い。
ドライブ・マイ・カーはビートルズの曲で、
権利が得られず、クラシックにしたとか。

西島秀俊演じる家福は舞台演出家で多言語で演劇するというスタイル。
霧島れいかが演じたのは音、家福の妻であり脚本家。
豪奢なマンションに住んでる様子から仕事はうまくいっている様子。
2人は独特な仕事に対するスタンスがあり、
それが後にとある事実として浮上するなど、
彼らが抱えているしこりが少しづつ露わになっていく。

三浦透子が家福がワークショップで訪れる広島でドライバーとして出会う「みさき」を演じる。

岡田将生は高槻を、音を尊敬している俳優で、若く優秀だが精神的に不安定。
家福とは楽屋挨拶で音に紹介されており、ワークショップに応募、合格し、参加する。

感情を込めない本読みの演出が面白い手法だと思った。
それは濱口監督の手法で(濱口メソッド)、何度も本読みすることで、否が応でも台本を記憶することになるが、本番で初めて感情が込められた言葉として発せられるので、新鮮なやりとりとなり、今までとはちがう演技になったと西島さんは語っていた。

家福と音、みさき、高槻がそれぞれやりとりを経る中で、長めの独白があるという構成が良かった、淡々と語られていく、それが余計に観てる側に語りかけてくる印象だった。それこそ舞台を観ているような。
村上春樹の原作中で舞台が演じられること、濱口さんの手法が劇中で取り込まれること、演者が演じてる中で舞台を演じるという多層性も面白い。

表題通りドライブシーンが多く、車中という密室空間で展開していく中で3人の共通点が1点あるが、それぞれの立場や気持ちも含めて緊張感がある。時折緩和としてなのか、俯瞰や後方を撮るシーンが多く、その構図にも注目して頂きたく。

広島市環境局中工場という谷口建築が登場し、マニアックな建築をよくぞ選んでくれて嬉しかった。ここでのシーンも良かった。
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