ENSAN

ドライブ・マイ・カーのENSANのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.8
あれもこれもそれもどれも彼女だった…

舞台俳優であり演出家の主人公家福悠介は突然愛する脚本家の奥さんを亡くしてしまう、亡くなる当日の朝に妻から言われた「帰ったら話したい事がある」の内容を知ることなく2年が経とうとした頃自らの作品を演劇祭で演出する事になる。

約3時間と長時間ながらダレる事なく観終わった、妻との生活と演劇と演劇祭を取り巻く人物とのやり取りが絡み合い少しずつ少しずつ悠介は色々な事に向き合っていくドラマ。

タイトルの『ドライブ・マイ・カー』を現すように繰り返し繰り返し流れる『マイカー内での出来事』が印象的。
自動車の中という限定的で閉ざされた世界、そして何より『マイカー』は営業車やレンタカーとは違い確実に『パーソナルスペース』なのだ。
自分の車を知らない相手に運転させること、自分が運転しないこと、自分が運転席以外に座ること、後部座席に座ること、助手席に座ること、の心的距離感の表現が見事。

やっとこさこういう作品を腰を据えて観ることができるようになりました笑
ENSAN

ENSAN