ドライブ・マイ・カーの熊倉じょういのレビュー・感想・評価

それぞれの心情の変化を緩やかに丁寧に映し出す、厚みのある映画だった。
終始、良い意味で「多くを語らず」進んでいき、終盤にどんどん紡がれていった。
効果的に使われてたのが「鏡」だった。車のミラー、部屋の鏡、稽古場の鏡等から覗く表情や目線の見せ方が面白かった。
そして「無音」。北海道での二人は何もない、寂しさみたいな雰囲気がいっそう乗っかってきた数分間だった。
脚本の表現や心情描写は実に文学的。村上春樹ワールドをまだ理解しきれてないのが悔しく思えた。
タバコをふたりで車の屋根から出すシーン◎