このレビューはネタバレを含みます
中盤までの引き込み方が凄い。良いシーンがめちゃくちゃいっぱいあった！最高
アクシデントがあり家に帰ると、別の男の上でよがっている妻。あまりのタスクの重さに見て見ぬふりをして出て行く。目の前のエグ過ぎる光景とは裏腹に流れている綺麗な音楽が最高だった。
そして、それを言い出せないまま時が過ぎ、妻は何食わぬ顔で「あなたが1番好き あなたと一緒になれて良かった」と言う。心がザワついて仕方なかった。
後半の高槻との語りでの、妻が他の男と寝る理由が良かった。オーガズムの端っこから物語を見つけて紡ぎ、相手にそれを再現してもらい書く。妻が語る物語の意味を考えさせられた。
好きな男の家で空き巣を繰り返す少女。遂にしくじり、1階のドアが開く。少女は「ああよかった やっとやめられる」と思う。
家福は2人が同じ形でいられなくなるのを恐れついぞ妻の裏切りには触れなかったが、妻は本当は見つけて欲しかったのではないか、と思うと胸が詰まる。妻が死んだ日に「話がしたい」と言っていたのはなんだったのか。
含みのある演出がちょこちょこあって、奥行が感じられて良かった〜、終盤長過ぎてあまり感動できなかったが、それでも面白かった。残された者の苦しみとささやかな救済の話。「永い言い訳」を思い出した。
渡利と家福がゴミ処理センターで煙草をふかし、心を通わせるシーンが好き。あと、高槻が盗撮でキレる所。キレっぽい人の地雷を誰かが踏んでしまった時のあの空気が凍る感じが凄い好きだった。
