たまちゃん

ドライブ・マイ・カーのたまちゃんのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
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他者との関わりから自分を見つめ直し、過去を再生していく話は大好きです。

村上春樹原作の短編を元にした濱口竜介監督の作品。
村上春樹は読み込むというより感じるものだと思っているので、その映画化って、うーん。
あんまり説明めいていたら嫌だなぁと思ったりしていたので、なかなか足を運んでいなかったのですが。
いやいや、良かったです。私の好きな映画でした。

一番印象的だったのは、妻音が語る同級生の部屋に忍び込み、シルシを残していく女子高校生の話。
夫家福はその続きを知らない、という。
岡田将生演じる高槻はその続きを知っている、と言う。車の中でそれを語る高槻の表情が秀逸。
何かが憑依しているように見える。
音だったのかな。
岡田将生って綺麗なお顔だけど、癖のある役をやってるのがとても好きです。

ドライバーみさきは寡黙で会話は少ないのに、
家福は彼女との信頼できるドライビングとその空間の中でもう一度自分が向き合わなければならなかった過去と対峙していく。
みさきも家福に自分の過去を語ることにより、向き合わなければならなかった母親との関係を見つめ直す。

場面場面一つ一つに静かな力のある作品だと思いました。
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