みーちゃん

ドライブ・マイ・カーのみーちゃんのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
2.5
最初の40分間の夫婦のシークエンスは苦痛だが、その後、車で広島に移動し、演劇祭スタッフのユンス(ジン・デヨン)が登場してから、更に、みさきが動き出してから見れた。

◇ここから本編に触れます◇

北海道でのクライマックス。互いに抱き締め合う形になったから、もしかしたら対等な関係に見えるかもしれないが、私はそう思わない。

家福が人前で泣きながら吐露するのは、彼の人生において重要な場面だと理解するから、聴く覚悟も、立ち会う覚悟もある。が、最初みさきがハグしたのに途中でハグの主導権を仕切り直されたり、「僕達」と勝手に纏められたので、一瞬で冷めた。

でも今回の旅は、そもそも彼のリソースだし、同時にみさきの転機にもなるのは間違いない。「僕達」も「ハグの主導権」も無自覚で、むしろ優しさのつもりだろうから、みさきは黙って受けとめる。そのことに、たぶん彼は一生気づかない。妻の気持ちも、高槻の胸中も、誰のことも分からない。自分だけで精一杯なのだ。