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ドライブ・マイ・カーのkooziのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞ノミネートと聞いて
ミーハーながら観に行く。
だいぶハードルを上げた状態で観ることにはなってしまった。結果よかった。

前半濡れ場多い。エッロ。
妻のエロさはもちろん、
西島秀俊の筋肉美と
岡田将生の顔のかわいさには
同性ながら見とれてしまう。

ドライバー役の人の着こなしがよい。
オールスター、ズボン、ジャケット、帽子。
真似したい。

自分がここ10年ほど映画を観てきた中で
これほどBGMなく静かな映画はなかったと思う。その間が贅沢な時間に感じた。
ポップコーン食べるのにも気を使うぐらいの静かさ。

あと間。
自分には登場人物のやりとりのように日常にこんな余白の間がない。
リアルではどうしても耐えられなくてペコペコしたおちゃらけた反応をしてしまう。
多分あの車中も会食の場面も、自分が置かれたら間が持たずしんどいと思う。

よくある、「こんなセリフ言うかよ」ていう
不自然なやりとりがやたら目立つ映画があるが、
この映画の中では小説的なセリフも不快な感じはしなかった。

人と分かり合っていくには時間が必要。
一見無駄(苦痛)と感じる沈黙も含めて。
徐々に自己を開示し、人を通して自分を理解していく。
それが大事なんだよ。
そんな感じのメッセージを映画から受けた。

西島さんが泣きながら
自分の感情を押し殺してきたことに気づき、
それを解放させるシーン。
誰にでもこの気持ちはわかるだろうなあ。
やっぱり、人に馬鹿にされても非難されても、
時には怒ったり、泣いたり、暴れたり、
我慢せずに表現する必要がある。
あまりに抑圧しているとその仕方を忘れてしまう。鬱回復中の今だから余計そう思う。

その他
・アカデミー賞は監督賞、脚色賞、国際長編映画賞はあるかも。作品賞は難しいか。(根拠ゼロ)
・演劇とか役者の苦悩を描いてるから賞レースでも結構評価されやすいのかな
・西島さん岡田くんともに、イケメンもここまで弱さ、情けなさを演じられるのか、という演技力、演出に感心した。
・もっとミステリー的にスッキリする真実があるのかと思ったらなかった?
・岡田くんの暴行逮捕が突然でとってつけたような、あんまり意味が理解できず。
・何年後、とかテロップでバシッと一気に飛ばしちゃうのもこの映画では潔くてよかった
・あんな古い車でもキーレスにできるんだ
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