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ドライブ・マイ・カーのshunのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.0
アカデミー賞ノミネートが発表された時に最初に驚いたのは今作が「脚色賞」候補になっていたこと。

まあそもそも国際長編映画賞以外にノミネートするとは思っていなかったのですが。ただ主演男優でも編集でもなくなぜ脚色に?って疑問がずっと頭にあったのでついに映画館で観て来ました。

観賞後そのまま本屋で原作の短編集を買い読んだことと合わせると色々納得できたことがありました。

まず、そもそも相当海外で評価されることを意識して作っていたんだろうなあということ。
クレジットが全部日英両言語表記なのが一番分かりやすい。他にも原作を約3時間の映画にする時に加えられた要素が興味深かった。

多言語劇、家庭内暴力、手話、国際色豊かなキャスト、そして広島。
もう今のハリウッドが大好きなワードがたっぷり。
原作に今のハリウッドが求める要素を違和感なく盛り込むことに成功している点が海外での賞レースで健闘している理由だと思います。

舞台を広島に移したことで広島→北海道という長距離でロードムービー的な展開を起こすことも可能に。

明らかに原作のままでは「日本すぎる」という理由でここまで海外から評価を得ることも難しかったと思う。
映画を観て原作を読んだ後だと脚色賞ノミネートもなるべくしてなった結果だろうな。国際長編映画賞は確実だと思うけどぜひもう一つくらい獲ってほしい…

3時間ありますが一度も眠くはなリませんでした。ストーリーについてはもう一度家でゆっくり観たい。特にセックス後に奥さんがするお話と2人の関係に深いつながりがありそう。
あとは劇も実在するそうなので一度あらすじを読みたい。

演技については、どこか感情のあまりこもってない、小説のセリフをそのまま読んでいるような口調が気になりました。主人公やみさき、広島で劇の運営とか担当してたおばあさんとか特に。何か意図があるのかもしれませんが。

個人的に好きなシーンはゴミ処理場の近くの海のそばで2人が話す場面。フリスビー返す直前くらいのカメラアングルが好きでした。

あとは霧島れいかが綺麗だったのと三浦透子の出演作もっと観たいと思いました。
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