陽子

ドライブ・マイ・カーの陽子のレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
5.0
ちょうど時間があいたので、前々から見たかったドライブマイカーを見に行った。

たぶん、前半からあんなに泣いてるの私くらいかも。賛否両論ありそうな映画だけど。

愛することは人生そのもので
正解だと思ってたのがある日実は違うと感じたり、取り返しがつかなかったり、反省したり後悔したり懺悔したり。

そういうあやまちや、傷ついたものを救うのが、映画の役割りの一つだと思うし、私はそういうジャンルが一番好きだと思う。

それが村上春樹の小説だと思う。
村上春樹の小説の世界を、映画にするのはむずかしいし、あまり成功しているのを見たことないですが、これは空気感そのものですね。

性愛は賛否両論あるかもしれないが、それは状態であり、メタファーであり、必然の設定だと思う。
どんなに愛し合っていてもわかり合えないこともある。

絶望と孤独を知ってしまった人間、それでも生きていかなければいけない。
あるいは知らなくてもいい感情。幸せの正反対。
それでもやはり人は人を信じて愛する。傷つく。

そういう心の痛みの世界やジャンルがあることも、わかって欲しいと思う。
こういう映画はマイノリティだと思う。でもそこからしか見えない世界や真実もある。
幸せな人が見るとあまり意味わからないかもしれない。
傷ついた人は結構くるものがある。


手話の人や、アジア各国の俳優が出るのもとてもワールドワイド。
日本映画というより、ヨーロッパやフランス映画に近い感覚を覚えました。
だから欧米の人たちにも評価されたのかな。

この映画を見た日、ちょうど日本アカデミー賞の日で、たくさん賞をとってておどろいた〜。
西島さんが最優秀男優賞に選ばれてうれしい。作品賞も。

こういう作品がもっと生まれることを願います。日本から、世界でも少なくなってきたかも。

3時間と知らなくて見てたけど、ずっと泣いててつかれた。最後もよかった。
でもまた見たいな〜。

チェーホフの戯曲ってあんなにこの映画とリンクするのね。
人生の言葉でとても心に沁みた。いつか読みたい。
ワーニャおじさん
陽子

陽子