カズザク17

ドライブ・マイ・カーのカズザク17のレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.5
妻の事は、夫である自分が一番よく知っている…と思っていた。それが、自分だけが知っていると思っていた事を、他人が知っている。しかも、自分が知らない事まで知っている。ショックである。怒りをぶつける相手…妻も、もうこの世にいない。虚しく、切なく、そして苦しい。大切に思う人が亡くなった時、残された人は、亡くなった人を追いかけ続けてしまう。辛い思い出であれば、尚更である。そこに、負い目・罪の意識・後悔が重なると、終わる事がなく果てしなく続く…。自分が亡くなる時まで、その呪縛は続くのだろうか?
日本語、中国語、韓国語、そして手話…様々な言葉か飛び交い、入り乱れて演じられる舞台上の物語。無言の手話が、無言であるが故に、一番ズドーンと心に響いた。