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ドライブ・マイ・カーのDのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
5.0
見直し。

逃げずに、自分を守らずに、自分の声に耳を傾けることはなんて難しいのだろう

大切だったはずの人を傷付け失ってしまうことの後悔はなんて鋭さなんだろう どれだけ考えても望むものは戻らない、考えれば考えるほど遠ざかっていくような気さえする

相手の声に耳を傾けるためには相手の全てを本当だと信じることが必要であるのかもしれない 自分が傷付かないようにと、相手も自分も信じ切らないでいては、取り返しのつかないことになる

私はいつから人を信じられなくなったのだろう 人を愛したい

それでも 生きていきましょうね。という言葉を忘れないでおきます。いつかほっと息をつくために。


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備忘

『多言語演劇だとやっぱり言葉でやりとりをするのではなくて、音でやりとりをする、ある種音楽的なアプローチになります。もちろん意味がわからないと演じることができないので、劇中にあったように読み合わせをして、この音声の時にはおそらくこういうことを言っているというようなことを頭に入れた上で演じるんですけれど、体から出る音に反応し合ったほうが、よりなまなましく演技ができるんじゃないかなと考えました。』
『ジャン・ルノワールが言うには、台詞にあらかじめ想定した感情を込めてしまうと演技はそこで発展しない、その場で反応できなくなってしまう。なので、その台詞をまず完全にフラットな状態にしておくことによって、演技とか、その場で起きる即興的なものが入り込みやすくなると。/意図せず出てくるものというか、本当にその場で出てくるものというのは、やっぱりなんか正しいというか。現場で驚きがあるのはそういう瞬間だし、そういう偶然が起こりやすいようにやっているような気がします。』
『やはり映画自体が音楽的である、ということが一番大事なことだと思っているので、映画音楽は必要最小限にしようとは考えています。ただ、やはり音楽があることで観客は見方を示唆されるようなところがあるので、観客との関係づくりという点で音楽自体もとても大事なものだと思います。』https://www.geidai.ac.jp/container/column/ge_idai_005
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