えりんこ

ドライブ・マイ・カーのえりんこのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.0
良かった。なかなか馴染みのない舞台を、しかも難しいチェーホフを日本人に紹介してくれたという点もすごく良かった。舞台の演出も良かった(昔、三文オペラで多国語演出の舞台を見たことがある。)キャスト陣のキャラクターが見事に際立っていてそれでいて喧嘩しないとか、優秀。本当は釜山が舞台になるはずだったらしいけれどコロナで広島になって良かった。アメリカ人にとって広島と真珠湾は表裏の場所で、罪悪感をチクチク刺激する地名らしい。(おそらくアメリカ人が期待するほど日本人は真珠湾に罪悪感を持っていない…というか真珠湾についての教育はされていなかった思うがどうか。)広島を舞台とした映画を評価する事で彼らの罪悪感も薄れるはず。北海道の地滑りも日本の山に多雨という地形のゆえの自然災害であり、ママの精神疾患もちゃんとヒロインが引き継いでる暗さとか、高い修理技術がある国だから古い車も余裕で走れるとか、仏式葬儀シーンとか、詰め合わせかよってくらいちょいちょい挟んでくるのが良い。高槻の普通の人に見えるけれどもじつはブチ切れてしまう人感とかカットが上手でした。とはいえ、本筋とワーニャ伯父さんと、空き巣JKとか話がおおいので、2時間半?は長いですよ、けれどもぶっ通しで見ちゃったのですよ。最後は夫婦と一緒に釜山に行ったんだねぇ。第二の人生、いや第三の人生かしら、がんばってねーとエールを送りたくなる。
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