てっぺー

ドライブ・マイ・カーのてっぺーのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.3
なかなかに良かった。
春樹が言うように、小説を読むということはシンプルなメッセージとか主張をそのまま受け取るのとは違って、物語というしっかりとしたものでくるまれて受け取るので、わかりやすさはないがその場で消えてなくなるのではなくて、受け取った側にしっかり残る、みたいな物語の強さをこの映画にも感じた。
春樹の原作のドライブマイカー、以外の小説もあちこちに感じられた。
あるいは物語の強さを感じることができたのはもしかしたら、原作とそれ以外の春樹の小説を全部読んでいて、観たから?ということもあるのか?

あの女性ドライバーの抑えた演技もいい感じだし、チェーホフを読みたくなった。

演技の指導をしながら、主人公は自分を癒そうとしていたのか、自分ならそういったことが生きていくための助けになるけど、この主人公は、傷つくべき時にちゃんと傷つかなかった、から最後のドライブが必要だったんだろう。


「大丈夫。ぼくたちはきっと大丈夫。」
というセリフに至ることができて良かった。

よし「ワーニャ叔父さん」を読んでみよう。
てっぺー

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