すごく良かった。３時間という長さと静かなムードに戸惑いを最初は覚えたけれど、独特な緊張感がずっと続いたので飽きることなく見れた。
セリフ回しが舞台チックで、劇中劇のようでもあり、耳で聞く村上春樹などと思っていた。ただ、本棚にある原作本を軽く読み返してみるとかなり違っていた。読み取れるメッセージも。しかも別の短編の話も混ざっている。
短編を長編にして、ワーニャ伯父さんのセリフを原作にないほどテーマと結びつけ、（これも原作にはないが）分かりやすいメッセージ性を盛り込んで映画を完結させていた。展開も油断した頃に驚くことがやってくる。とんでもなくすごいことだと思う。
また、あらゆる人間のドラマ（過去など）を静かに、そしてゆっくりと語っていく様も良かった。手話、多国語の演技をやるという発想も縛られない感じが良い。
世界中の賞をもらったのも納得、というほど世界の賞に詳しくはないが、すごく良い映画だった。
