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ドライブ・マイ・カーのPoMooNのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.0
村上春樹は読むと難解だが(私にとって)映像になると作品を理解する取っ掛かりが得られる気がする。今作品も言わんとする深さを感じ取れた気になったが、、💦如何なものだろうか?

家族でも夫婦でも一面しかみていないのかも知れない。人は多面性があり、見ようとする角度&見せようとする角度で「その人をわかった気」になっている日常がある。
「秘密ではなく、そういう人だと思えませんか?」と23歳のみさきが家福に言う場面は染みた。

家福(西島秀俊)と音(霧島れいか)の夫婦は関係性が壊れるのを恐れ、よい夫婦の顔しか相手に見せていないようだ。SEXの後に物語を語り出し、その記憶を忘れている巫女の様な妻、音。家福も知る音の語る空き巣の話の続きを、高槻(岡田将生)が語り出すのに、嫉妬も忘れて家福は引き込まれていく。

ストーリーの中でチェーホフの戯曲【ワーニャ伯父さん】の台詞に家福をワーニャ伯父さん、ドライバーのみさき(三浦透子)をその姪ソーニャに対比させている処はお見事。心に傷ある二人の北海道までのドライブは彼らの感情を噴出させ前進する力になった様だ。ラストで、みさきは多分、韓国に住んでるよね?新しい未来を見つけたって事だろうなぁー。

作品中の多言語&手話のお芝居は興味深かった。

蛇足: 今回はドライブ・マイ・カー・インターナショナル版を視聴。通常版もあるらしくインターナショナルはR16+の表示になっていた。そもそもの視聴きっかけが広島に行く予定があり、知人が本編の舞台として撮影された場所に連れて行くと言ってくれたので見ておこうかと。西島秀俊だから(好きですが)とか、賞を取ったからとかではなく💦
広島を周るロードムービーかと勝手に勘違いしていた💦人生半ばのロードムービーですねー

追記: 後日、知人がとび島海道に連れて行ってくれ、作中出てきた海岸、家福が宿にしていた宿泊地を見てきた。江戸時代の港町で一部建物保護地区に国選定とされた美しい場所で、瀬戸内海の海がこれまた素敵だった💓

No1213
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