オクターヴ

ドライブ・マイ・カーのオクターヴのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5
あのオープニングじわるよな〜人生の大事なものが引き算みたいにどんどんなくなっていって感情も奥底に抑圧されたんだなとわかる虚無感たっぷりの西島秀俊の横顔がたまらんな。そこに穏やかな瀬戸内の海が優しく現れる。
事情なんて誰もわかりゃしないんだけど。179分も必要なのか?って思ったんだけど、伝わらないことを伝える話なんだから、それなりに必要な長さだと最後は思ったね。あと何かが憑依するよね。ある程度の年齢の男は劇場から出たらミニ家福悠介になってるかも。そんなゆっくりした話し方じゃないだろ普段はって自分にツッコミいれたくなる。また、霧島れいかの背中が魅力的なんだよね。特に最初のシーンが良かったな。ちょっとゴツゴツの筋肉が見える感じがいいんですよ〜この映画の名シーンの一つがラブシーンじゃないかしら?
あと、瀬戸内のシーン好きなんだよな。下手な監督だと観光案内の映像みたいにいろいろな名所を見せちゃうんだけど、あくまでも必要最低限のところしか見せない。ロケハンやってたら絶対に撮りたくなる景色が多々あったはず。一番好きなシーンは公園かな。特にみんなで歩いてるシーンね。場面転換って映画では大事なんだけど、反復する本読みシーンの効果って、こういうところにも現れてくるよね。観客に開いていくって台詞、あれ良かったな〜