昨日、あることで考え込んでいて最終的に『全ての相反する感情は両立する』、という結論に至った。
そうして本作を観たものだから偶然と言えない引力を感じた。
この話は一貫性という呪いにかけられた男の話だと思う。
全てを一本の筋が通っていることだと自分を律し続けているから、自分を常に傷つけてしまう。
大切な人の居ない社会にばかり目を向けて、自分を見つめられないその気持ちは痛いほど分かる。
『ワーニャ叔父さん』のワーニャと家服の心境が話を追う毎にリンクしていく、リンクしていることが開示されていく感覚が不思議だった。村上春樹は数冊程度しか読んだことが無いが、こういった哲学を提示してくれるのならもう少し試してみても良いと思った。