ゴン吉

眠狂四郎 魔性剣のゴン吉のレビュー・感想・評価

眠狂四郎 魔性剣(1965年製作の映画)
3.9
円月殺法を得意とする浪人剣士の活躍を描いた時代劇「眠狂四郎」のシリーズ第六弾。  
市川雷蔵が主演、瑳峨三智子、長谷川待子、明星雅子、穂高のり子、若松和子らが共演。
原作は柴田錬三郎の小説。 

狂四郎(市川雷蔵)は、ある雨の晩に、福の能面を被った武家育ちの女(穂高のり子)を興味本位で1両で買う。
その女性は岩代藩の元御殿女中で、狂四郎は彼女を買ったのにもかかわらず袖にして抱かなかったため、彼女は誇りを踏みにじまれた屈辱で自害してしまう。
その後、少年を連れた大工の娘(明星雅子) が、自害した元御殿女中が受け取った1両を狂四郎に返しに訪れる。
その少年は岩代藩の亡き殿と御殿女中の間に生まれた子で、正室の御世継ぎが急死したため、藩士たちが跡取りとして強引に連れ戻そうとしていた。
狂四郎は御殿女中を死に至らしめた後悔から、少年を匿うことにするが、少年は岩代藩に連れ去られてしまう。狂四郎は少年を取り戻すために後を追う。
道中で、次々と岩代藩の藩士が襲い掛かる一方で、沢山の女が色仕掛けで命を奪いに来る。
そしてついに狂四郎は網で捕らえられてしまう.....

狂四郎が関わった者は男も女もどんどん不幸になる。
次から次へと現れる武士の刺客を狂四郎は片っ端に返り討ちにして死体の山ができる。
本シリーズならではのクールでニヒルな狂四郎に、兄を殺された妹に加えて、毒蛇使い、尼僧、風魔一族の末永のくノ一、印籠の女などの美女たちも命を狙ってくる。
そしてクライマックスでは狂四郎が岩代藩一の剣客と差しで勝負。
「この世の思い出に 円月殺法をご覧に入れよう」 
決め技の円月殺法は、ストロボ撮影に加えて光の反射を加えた派手な演出で盛り上がる。
果たして少年の運命は如何に。
「まっすぐ前を向いて歩くんだ」  

2023.3 BS12で鑑賞
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