よーだ育休中

ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

4.0
老境に差し掛かったイタリア系マフィアの二代目首領は自らの過去を省みる。父の事業を守るため犠牲にしてきた家族との関係を修復すべく裏社会から足を洗おうとするが、過去に犯した罪が彼の心を責め苛み、裏社会のしがらみがどこまでも纏わり付いてくるのだった。


Grim Come out to
Grinning Socialize~♩.•
Ghosts † ‎〜𐭜 ᜊ°ཫ° )ᜊ
† ┏┛R.I.P┗┓ †

(^ΦωΦ^ o[ テイタートッツを食べてみ隊 ]o


◆ Just when I thought I was out...
ーthey pull me back in.

Mario PuzoとFrancis Ford Copplaが16年越しに製作した一大叙事詩の最終章が、更に29年の歳月を経て再編集された『最終章(コーダ)』。元となった『Part.III』よりも全体の尺は短くなっているようです。新たなカットに差し替えられているシーンもあるとの事ですが、監督曰く「本当に表現したかったものが出来た」との事。『Part.III』は未視聴ですので、いつか見比べてみたいものです。

偉大な首領Vito Corleone(Marlon Brando)の栄枯盛衰を描いた『Part.I』

若き二代目Michael Corleone(Al Pacino)の苦悩と葛藤を描いた『Part.II』

続く今作では、晩年のMichael Corleoneが過去を精算しようとする姿が描かれていました。多大な影響力をもつ《首領の最期》は一作目のVitoと重なる部分がありますが、二人の置かれている状況と最期の姿は切なくなるほどにかけ離れていました。


◆ I will never work for you.
ーI have bad memories.

長男のAnthony(Franc D'Ambrosio)は大学を中退し、オペラ歌手としての成功を目指します。コルレオーネの家業を快く思っていない首領の息子。彼の姿は家業を快く思わず、家業から距離を置くためにベトナム戦争へと参加した若き日のMichaelそのものでした。

若き日のMichaelとは異なり、ファミリーの首領の座を継ぐことになるのはAnthonyではありません。亡きSony Corleoneの息子であるVincent Corleone(Andy Garcia)が後継候補としてMichaelに付き従います。亡き父親と同様に血の気が多くてキレっ早い彼は、まるで一作目のSonyを見ている様でした。そんな彼ですが、父親とは異なりクレバーな一面を垣間見せます。Michaelに付き従い、忠言に耳を傾け、腐ることなく首領としての風格を身に付けていきました。若いガルシアがめちゃくちゃカッコ良かった。

前妻Kay Adams(Talia Shire)から三行半を突きつけられてしまった若き日のMichaelは、ようやくKayの願いであった《裏稼業からの撤退》を志します。前二作品と重なる部分を含めながら締めくくられる最終章はとてもよく考えられていたと思います。

・・・晩年に夫婦間のパワーバランスが逆転する現象って古今東西共通するテーマなんでしょうかね。


◆ I ordered the death of my brother he injured me.
ーI killed my mother's son.
ーI killed my father's son.

毎回裏社会の権謀術数が巧みに描かれている本シリーズですが、今作ではバチカン銀行の汚職と1978年のヨハネ・パウロ一世の急逝に着想を得てプロットが練られている様子。教皇に就任した同氏は、かねてより問題視していた宗教事業協会の不透明な財政と裏社会との不適切な関係にメスを入れるべく改革を強く推し進めた結果、在位わずか三十三日目にして不審な死を遂げたそうです。

資金洗浄などではなく純粋に裏稼業から脱却するためにバチカン銀行直属の巨大投資会社に目をつけたMichaelが、甘い蜜を吸っていた輩から命を狙われることとなるプロットは『裏稼業のしがらみ』に囚われてしまった様子を際立たせていました。

加えて、本作ではMichaelが過去の罪、特に実の兄を手にかけてしまった《兄弟殺し》を告解するシーンが含まれていました。キリスト教において《人類最初の殺人》として知られているカインとアベルも兄弟同士。

本シリーズは過去作でも洗礼式が取り上げられていたり、ゴッドファーザーというタイトルからもキリスト教的なエッセンスが少なからず含まれている作品でした。そんな作品の最終章で主人公が過去の恐るべき罪を懺悔。枢機卿を通じて神の赦しを得るも、罪悪感に苛まれつづけて因果応報ともいうべき結末を迎えます。


when the Sicilians wish you "Cent'anni"...
it means "for long life."
...and a Sicilian never forgets.

エピローグはマリオネットの糸に絡め取られた様なタイトルロゴと相まって何とも皮肉。これだけの作品が公開当初にあまり評価されていなかったということに驚きです。


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Dear.クラリスちゃん

ラストめちゃくちゃ見応えがあったね( ºロº)!!
過去の作品と違って全体を通して哀愁が漂い続けていた気がしたけど、物悲しいテーマ曲がしっくりくるラストだったと思う・・・。

今回のマラソンのおかげでようやく未視聴の名作をチェックすることができたよ!次回のマラソンもよろしくね٩(ˊᗜˋ*)و!!