おもち

日本独立のおもちのレビュー・感想・評価

日本独立(2020年製作の映画)
3.5
 戦後の日本国憲法制定を描いた物語。浅野忠信主演。
 終戦直後の動乱の中、白洲次郎と吉田茂らの懸命な努力によって少しでも早い日本の独立を目指していく硬派な政治モノ。
 白洲次郎が主演ではあるんだけど、どうしてもストーリー上作品に入り込めないシーンが多くてちょっと残念。予告編のようなスピード感はなく、淡々と憲法制定に向けたGHQと日本の水面下でのやり取りを繰り広げていく。史実と見た目が似ているのは吉田茂演じる小林薫ぐらい。もう少し全体的に似せて欲しかったな。
 肝心の「日本国憲法制定」、これがなかなか一般人には難しい内容なんだけど、それを2時間に凝縮した映画で分かる日本史シリーズという感じ。テイストとしては日本のいちばん長い日に似てる。錚々たる当時の偉人・政治家が登場、特に後半は松本烝治演じる柄本明がだいぶ良い仕事で激熱な演技を見せてくれる。サイドストーリーには吉田満の「戦艦大和の最期」も出てきてウマイ。
 この映画を楽しむには誰が何をしたかとそれなりの事前知識を求められるけど、やんちゃ同士な白洲・吉田の掛け合い、語気荒く議論する日米外交を観るだけで「政治面白そう」ってなると思う。終盤ちらっと「調印の時の演説、英語やめて日本語でやりませんか」と言って笑い合う、後のいわゆるトイレットペーパー事件に繋がるシーンが良かった。
 総合的に見るとなんとも決め手に欠けるけど、豪華な役者揃いなので好きな俳優がいたら観てみようかなぐらいの気持ちで丁度良いと思う。日本史ファンならマストかも、オススメッ!
おもち

おもち