ギボン三世

日本独立のギボン三世のレビュー・感想・評価

日本独立(2020年製作の映画)
3.0
終戦というタイミングでレンタル視聴。

切り口や描写も良くできているが、やや焦点が拡散した印象を受けた。個々のシーンはとてもよいし、松本法相は彼の思いをよく描いているだろう。また、GHQ側の描写もこうなんだろうなあ、とも思う。

ただ、吉田・白洲ラインかと思うとそうでもない。せっかく幣原首相が出張る割に、彼自身のバックボーンが詳しく出るわけでもない。もったいなさを感じてしまう。

日本の独立、を精神性の面で『戦艦大和ノ最期』を結びつけたのはインタレスティングだった。小林秀雄の表現が美しい。

どうもこれ見て押し付け憲法云々言ったり、松本法相を女性差別とか時代錯誤な批判をしている人も見かけたが、そも映画で描かれたように政府は彼らなりの政治判断で受け入れた事を忘れている。女性差別に至っては、敗戦直後の日本男性にジェンダー論を求めることがナンセンスであろう。

とはいえ、そうした指摘を見るに、未だにセンシティブな議論を呼ぶテーマなのかと複雑な気持ちにさせられた。
ギボン三世

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