ナユRA

浜の朝日の嘘つきどもとのナユRAのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
5.0
劇場出た後もしばらくぐずっていた。こんなに映画でちゃんと泣いたのは久々だなあ。笑いあり涙ありの人情物語に自分はほんと弱いんだな。ストレートなセリフが心揺さぶったよ。的確なセリフだった。人の対立、真逆の考えに善も悪も、どちらが正しいもなくて、なんならどちらも正しかったりして、自分の目線ではそれが見えづらいんだけど、この映画ではその見えない相手の事情や考えを見せてくれたのが印象的だった。

わたしは家族単位で成り立つ社会に、ずっと前から窮屈に感じてて、家族は幻想だ。て言葉にすごく納得していた。だけど、それだけで完結するのは非常に未熟だということに気付かされた。「その幻想にすがりたい。」それを希望に辛さにたえて生きる人たちもいるんだなって、はっとしたよ。

あと、わたしはずっと粋なはからいができる大人になりたいて日々思ってて中々なれなくて苦戦してるんだけど、この映画の大久保さんは本当に粋でなりたいなと思ったよ。別れ際に、振り返らない。そういう相手を安心させる優しさ。そういう人になりたい。

コロナで疲れてる今だからこそ、見てよかった。そう思える作品でした。
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