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浜の朝日の嘘つきどもとのradioradio526のレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
3.5
「いらっしゃいませ。大人お一人様ですか?」

「浜の朝日の嘘つきどもと」鑑賞。

100年近い歴史を持つ南相馬の映画館「朝日座」は廃館となり、来月の取り壊しを待つのみだった。
支配人(森田)の前に茂木莉子と名乗る女性がやってきて「朝日座を立て直す!」という。高校時代の恩師・田中茉莉子との約束を果たす為にやってきたという莉子の熱意にほだされ、少しずつ心を動かす森田だが。

映画館が舞台の映画ってのは何ともワクワクする。
興行という…別になくたって死にゃしないものの為に一所懸命になるストーリーはそれだけでジワる。
これはもう、映画好きあるあるなんじゃなかろうか。
しかも歴史のある「2本立ての名画座」だ…もうたまらない。

「恩師の先生役の大久保佳代子がすこぶる良い」そんな評判を耳にしていたけど確かに素晴らしい。そして支配人役の柳家喬太郎、一流の落語家は演技も上手いと思ってたけど抜群のこなれ感だ…なんでこんなに疲れたジジイがハマるんだw
主演の高畑充希も関西人だからという訳じゃないが、3人共すごく反射神経が良い。
そう…この3人は女優・芸人・落語家とバラバラだけど、とても演技の勘が良いんだと思う。

生徒人気は高いが、男には滅法弱くて、惚れっぽくて、それでいてすぐにフラれる女性教師。ひとりの迷える女生徒を大好きな映画で居場所を作ってやるがベタベタと優しい訳でもない。男を部屋に呼び込む時にはあっさりと「男>生徒」になる。
でもその女生徒にとっては忘れ難い恩人なんだよなぁ…。
こういう設定でのキャスティングとしては実に上手いと思った。実際にいそうな感じとしてはかなりなもんだ。
大久保佳代子と柳家喬太郎の共演シーンは僅かだが最高だった。声を上げて笑ってしまった。
(映画好きなら笑えるポイントだと思う)
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