『街の上で』『いとみち』など、最近は「ある地域に密着した映画」を意図せずよく観ている。ということで本作も。話はわりと手堅いものではあったけれど、最後まで興味を失うことなく観ることができたのは、役者陣がとても魅力的だったからだろう。中でも大久保佳代子がとても心地良い。日常に溶け込む素のような雰囲気なのに、いつもの彼女らしさを失っておらず、それでいて物語の中にいても不自然さを感じない。これは普段バラエティでいかに自然体に近い状態でいるかということなのだろうか。いや、それすらも仕事として演じているのかもしれない。