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浜の朝日の嘘つきどもとのじゅんPのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
3.8
《永らく地元民に愛され、街と共に生き続けてきた名画座「朝日座」。厳しい経営状況から閉館を決意した支配人の元に、朝日座を立て直すために来たという1人の若者が現れーー》

“人が人の居場所になること”にフォーカスしていて、その意味で実は映画の中心に据えられていたのは朝日座ではなく、大久保佳代子だった。

実利があるかどうかを超えた、代え難い関係性。
過度に依存せず、でも影響を与えてくれる存在。
そうした人対人のあれこれが描かれる中で、対映画館や対映画における特別な何かが、同列のものとしてリンクしていく。

大切ならちゃんと伝わるように言葉に、行動に移していけってのはホントその通りでしかなくて、大久保佳代子の最期の台詞は、しばらく足を運んでなかった映画館の休館・閉館の報を耳にして沸き立つ感情にも似ていた。
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