めちゃめちゃ良いドキュメンタリーだった。内容が濃い。あるかどうかもわからないものを発掘作業で見つけるのって、すごい哲学的だよね。そこにあるから見つかるんじゃなくて、「探す」から見つかるんだな。
エジプトの考古学調査にどんなチームが関わっているのかもよくわかって、みんなすごい魅力的。ヒエログリフ解析、ミイラのX線調査、骨を解析するリウマチ学者、考古学者たち、そして現場で発掘を頑張る人たちに焦点が当てられててよかった。ほぼ日雇い労働者みたいな条件で、政府からの支援が無くなると無職になってしまう。砂漠で黙々と砂を掘っては運んでる様子、4千年前のエジプトの奴隷労働者を見てるみたいだった！
彼らがことあるごとに「ハムドゥッラー」を言ってて、それが掘ってる物との対比で不思議だった。エジプトの人々は今はイスラム教を信仰してるけど、エジプトの多神教はどこに行ってしまったんだろうと思った。
現場監督を代々やってる人にも感動した。おじいちゃんの代から現場監督をやってて、息子にも同じ仕事を教える。まじエジプトの時間の流れ悠久すぎ。
そしてどんどん発見されるの。信じらんないほど美しいものが発見されんの砂の中から。見てるだけなのに超興奮した。大量のネコのミイラ、ライオンのミイラの解析してる人たちめちゃめちゃ興奮してて気持ちがよく伝わった。
個人的に骨の担当者の女性がすごい好きだった。静かに骨を並べて、ずっと昔に亡くなった人と対話してるみたいな仕事ぶりだった。骨やミイラから、はたまた装飾品から色んなことがわかって、どんな病気だったとか、どんな地位だったとか。
もうノンストップで観ちゃう面白さだった。もっとこういう映画がみたい！！そして私は絶対エジプトに行くぞ。
