要

サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイスの要のレビュー・感想・評価

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ブラックカルチャー×モダンジャズ×宇宙

米国の音楽家・思想家サン・ラー(1914〜1993)本人による異色のSF映画。土星からの使者を自称している彼の独特な宇宙哲学?の映像化と、黒人解放がテーマ。

正直、音の感じと騒々しい演出が苦手だった…でも造形物の良さは期待以上!冒頭の別の惑星の森の中とか、宇宙船内部とか低予算かつレトロ感がたまらない。

・土星から来た、黒人文化の救世主
大宇宙議会大使(何だそれ)サン・ラーは音楽を動力にした宇宙船に乗って、地球の抑圧されたブラザー達を別の惑星に移送し黒人ユートピアを創る為にやってきた!しかし「監視者」に邪魔されるわNASAに追われるわで大変〜><という話。

・世界の終わりゲーム?
冒頭からサン・ラーと敵対する「Overseer=監視者」が時空を超えたタロットカードバトルを繰り広げる…(監視者というのは農場で黒人奴隷を監視した黒人の役職名から来ているらしい。白人社会に取り込まれた黒人の象徴だったのか)。仮想空間?で引いたカードが、地球の現実に反映され話が進行していく。

「戦車」は現実でオープンカーに置き換えられ、「審判」を引いたラーは宇宙船で登場。(予告のシーンね)これはキリスト教の最後の審判のことなので、彼を信じた者だけが天上の楽園(惑星)に連れて行ってもらえるという暗喩なのかな。

・ハヤブサ頭とライオン頭(ラーとセクメト?)もかわいかったが、顔が鏡になってる異形頭がとっても可愛いかった(⌒▽⌒)
・古代エジプトは「かつて黒人が築いた巨大な文明と支配」の象徴
・アフロフューチャリズムとブラックスプロイテーション、知らなかった。にしてもサン・ラー、調べれば調べるほど面白い人物だなぁ
・人種差別だめ絶対!というより白人憎しという感じなのはモヤる…半世紀も前だしな
・歌詞、近年の次元上昇的な思想にも取れて面白い…タロットも人間の潜在意識を示すツールだし
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