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天空の結婚式の一人旅のレビュー・感想・評価

天空の結婚式(2018年製作の映画)
5.0
アレッサンドロ・ジェノヴェージ監督作。

2003年にNYオフブロードウェイで初演されロングランを記録した舞台劇「My Big Gay Italian Wedding」をイタリア人監督のアレッサンドロ・ジェノヴェージが映画化したコメディ映画で、ゲイカップルの結婚式を巡る騒動がコミカルに描かれます。

『天空の城ラピュタ』のモデルとなったことでも知られる、イタリア中部ラツィオ州ヴィテルボ県に位置する分離集落:チヴィタ・ディ・バーニョレージョを舞台とした作品です。ベルリン在住のイタリア人のゲイカップル:アントニオ&パオロが、両親に同性愛のカミングアウトと結婚報告を行うためアントニオの故郷である“天空の村”チヴィタ・ディ・バーニョレージョに里帰りしたことを発端に巻き起こる一連の騒動を描いた“同性婚コメディ”で、アントニオの母親が二人の結婚に賛成しているのに対して、村長である厳格な父親は同性婚に真っ向から反対しているがために、二人の結婚話が熟年夫婦の離婚騒動にまで発展していく様がユーモラスに映し出されていきます。

知る人ぞ知るイタリアの観光名所であるチヴィタ・ディ・バーニョレージョの奇跡的な風景美を背景に、結婚を誓ったゲイカップルを中心に巻き起こる結婚式騒動を個性豊かな脇役達との饗宴と共に大らかに描き出したイタリア喜劇で、後半はやや駆け足な印象ですが、今の時代特に求められる“多様性の尊重”を笑いと感動で包み込んで示してくれます。
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