ボギーパパ

エスター ファースト・キルのボギーパパのレビュー・感想・評価

3.9
劇場2023-30 TCはません

2009年製作『エスター』の前日譚。あのエスターがいかにして生まれたかを描くのだろうか。
当時劇場では鑑賞していないが、『エスター』は衝撃的な作品であった。ギミックといい、伏線といい、そしてなんと言ってもイザベル・ファーマンといい、、、当時12歳?

特に印象的だったのが、
氷上&ガラスの上の対比的な表現。池の上の伏線、、、
そしてメイク?を落としたエスターの容貌と表情。全てが衝撃的!

さて、今回は子供だと思っていたエスターが実は大人の殺人鬼だった、、、という構図は使えない。だって皆知っているんだもの(^^)
そしてイザベル26歳になったこのタイミングは、『エスター』の真の年齢33歳近くなるまで待たれていたのか?謎が謎呼ぶ、、、

さて本作は、前作で明らかになったエスターの足取りであり、重要な鍵となるサールン医療施設にて幕が開く。不穏も不穏。そしてエスターのエスターたる所以が明らかになる。
そしてエスターは成りすましによりアメリカのオルブライト家に潜り込むわけだが、、、

ここには多いなる違和感を感じざるを得ない!「んなわけっ⁉︎」by 山本匠晃くらいの違和感。もやもやするわぁ、、、結構モヤモヤ引っ張るし、、、

しかしこの違和感こそが、まさかの展開に、、、繋がっていたのであった(^^)上手い!上手すぎる。
さすが!エスターブランドはしっかり守られている。これくらいの展開がないと14年後に続作(実質は前作だが)作る意味がない!
参りました。

そして何はともあれイザベル・ファーマン。
前作12歳での演技は革命的であり衝撃的であったが、今作も随所に見せる不気味さとしたたかさは磨きがかかったどころのはなしではない(^^)お見事でした。
つまり子供が演じる大人から、大人が子供を演じる大人を演じる、、、あゝややこしい(^^)

タイトルにFirst Killとつけたのはミスリードを誘ったものだろう。
前作でエスターがコールマン家に入り込み、その謎解きの際に説明されていたオルブライト家の悲劇の真実が、このように起き、そしてその推測はああなるしかないこと、このエアポケットのような状況を構築することにより、我々はまんまと騙されるのであった(^^)
衝撃度は前作には及ばないが、うん、気持ちの良い騙され方であった。


さて、今後エスターはどこへ行くのであろうか?次に回を重ねるとなると、ジェイソンばりになってしまうから、相当難しいと言わざるを得ないが、また今回のように周到にミスリードして、スパッと騙して欲しい。
それがこういう映画を観る最大級の快感なのだから(^^)ふ
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