Harumakiさん

エスター ファースト・キルのHarumakiさんのレビュー・感想・評価

3.6
【 この娘、やっぱり変だ。 】


この映画は、伝説的なホラー映画として語られる『エスター』の、前日譚として描かれた作品です。
序盤には、一作目でわかる重大なネタバレがあっさりと明かされ、中盤からのまさかすぎる話の展開はとてもとても斬新。
一作目の過去の話として、どんな感じでエスターの狂気が見えるのか、、、今作も前作とおんなじような演出になるのか、、、、全く想像がつきませんでしたね。
まさか、、まさかエスターを応援する気持ちが芽生えるとは思いもよらなかった🧐🧐


●全く予想もしなかった展開

一作目を見たあとだと、エスターの秘密もわかりきっていて、狂気的な演出も想像がついてしまうようでしたが、今回ははっきりと言って別物だったと思います。おんなじパターンで描かれるだろうと思っていたのが、まさかエスター以外にもイカれた奴がいたとは、、、、いい意味で期待を裏切られたようで、斬新すぎる展開に感動しました。
エスターというキャラクターが前作よりもはっきりとしていて、ストーリーがより面白くなったり、逆に怖さという点では軽減されていたりと、良くも悪くもといった描き方だったと思いました。
エスターのことを知れば知るほど、“未知の恐怖”というものがなくなっていき、最終的にはエスター自体に怖さが感じられない。そんな状態が今回ではずっと続いてしまったと思いました。



●応援したくなる気持ち

今回はなぜか、なぜかエスターを応援したい気持ちが芽生えた、、、笑
前作に比べて、エスターの犠牲になる家族が父親以外イカれていて、中盤からの物語がマジで予想がつかなかった。作中にあったエスターを手玉にとるという場面には驚かされ、翻弄し続けるエスターに新たに対抗するものができたようで新感覚でした。
ところどころのお馴染みの演出には、(エスター忍者やん^_^)ってなってしまい、やっぱり描き方もだいぶ変えたんだなって思いましたね。ここまで来るとヒーローとか、ヴィランとかの立ち位置になってる気がする、、、いつのまにか消えたり、いつの間にか車に乗っていたり。ホラー映画であってホラー映画じゃない感じでしたね。


◉まとめ

この作品は、一作目で衝撃的な恐怖を世に送った“エスター”の、より濃くより深い展開で描かれた作品です。
エスターのキャラクター性を豊かにし、一作目とは裏腹にユニークにも感じられる描き方は、とても斬新で真新しい。
ただただ胸糞が悪いというだけでなく、爽快感のある狂気を楽しめることができ、エスターお馴染みの演出が存分に描かれていました。一作目にも登場したブラックライトの絵画も、今作で成り立ちが明かされていたりと(うっすらと)、懐かしみのある演出もありました。
一作目とは違った作品として鑑賞すると、しっくりこないことはないかもですね!
好みの問題が大きいように思える作品でした。










欲を言えばもう少しエスターの狂気を見たかった気もする、、、。斬新っちゃ斬新だけど、エスターっていうキャラクターでギリギリまで気持ちの悪い物語でもよかったなぁ。
エスターの物語が締めくくられた感じもしたし、結果良ければ全てよし!!
Harumakiさん

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