ゆきゆき

エスター ファースト・キルのゆきゆきのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

2009年の『エスター』は最高のホラー映画であったが、エスターの正体が作品の肝でもあった。続編は難しいし、完成したとしても半端なものになるだろうな・・・と思ってたらこれが良く出来ている。

すでに成人してしまったエスター役のイザベル・ファーマンをどのように子供に見せるか、の撮影工夫はあらゆる所で解説されているが、そうと分かっていても全然トリックに思えないのだからすごい。経験を積んだイザベルの演技は前作よりエスターというキャラに深みを与えていて、困難であろうとも彼女の続投は正解だったと思う。1作目に繋がる要素も後付感なく散りばめられているのも好印象。

映画中盤で殺す側が殺される側に回る構造の反転は、薄々知っていたとはいえ衝撃的。思えば前作も不安定なバランスの家庭にエスターという異物が入り込み崩壊していく話だったな。ただこちらの家族は悪意全開。後半は「勝手に戦え」としか思えませんでしたね。

今回の手法を使えばさらに過去の話も描けそうですし、ホラー続編の新たなアプローチとしても面白い作品でした。
ゆきゆき

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