はぐれ

あの夜、マイアミでのはぐれのレビュー・感想・評価

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)
3.9
キング牧師のある一時期に焦点をあてた『グローリー 明日への行進』と同じくマルコムXの生涯を描かずにある1日の行動だけに絞った作品。そのため結末が暗殺という暗いものにはならずに大変に力強いパワーを持った映画。

監督はオスカーの助演女優賞受賞が記憶に新しいあのレジーナ・キング。映像的に凝ると言うよりは俳優達の演技が主体でメッセージを伝える事により重点を置いた実直な演出。

モハメド・アリなど他の3人はある程度知っていたため馴染みがないアメフトのスターであったジム・ブラウンの人柄や言動がとても興味深く印象に残った。冒頭にある善人そうに見えた地元の白人の有力者から「家には黒人を入れないことに決めてあるのだよ」と告げられるシーンは淡々としているが大変にショッキング。
また、彼がマルコムXに「色が明るいやつ(黒人)にはわからない」と言い寄るシーン。黒人間にもグラデーションがありそれがコンプレックスになっているという今まで知らなかった事実。いったいいつになったら彼らの悩みや闘いに終止符が打たれるのだろうか?
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