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あの夜、マイアミでのradioradio526のレビュー・感想・評価

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)
3.0
「伝説の試合があった後…それぞれの想いが交錯する夜だった」

「あの夜、マイアミで」Amazon Primeで鑑賞。

モハメッド・アリがソニー・リストンを破ってヘビー級の世界チャンピオンに上り詰めた夜、マスコムXとサム・クックがホテルで静かに過ごしていたという話…何かで読んだことがあったが、そんな夜の話。

黒人解放運動家であるマルコムX、既に著名な歌手であったサム・クック、アメリカンフットボールの花形選手ジム・ブラウン、そしてボクサーのカシアス・クレイ(後のモハメッド・アリ)。
60年代のブラックアイコンが揃ったのは華やかな祝勝会の会場ではなく、寂しいモーテルの一室だった。
マルコムXの仕切りで揃った4人…話が公民権運動に及ぶとそれぞれの想いを語り始める。
白人との共存を探るサムとジム、イスラムの教えに殉じて白人とは別の道を歩もうとするマルコムとカシアス。
密室の話だからフィクションには違いないが、それぞれの立場やスタンスを考えるとリアリティがあって、それぞれにさもありなん…と唸ってしまう。

サム・クックは白人相手の時と黒人相手の時ではパフォーマンスが全く違ったらしい。
これは僕に黒人音楽を教えてくれた叔母から教わったエピソード。
ユー・センド・ミーは代表曲だけど白人向けの名刺代わりに過ぎない。
アルバム「ライブ・アット・ハーレム」の熱の高さを聴けばそのエピソードに納得するしかない。
コパカパーナ(白人相手)でウケないサムの苦悩のシーン…そんなことを思い出してしまった。
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