サラフィアー

あの夜、マイアミでのサラフィアーのレビュー・感想・評価

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)
-
あらすじ(Googleより)マイアミの1964年2月25日の夜。カシアス・クレイはジム・ブラウン、サム・クック、マルコムXと一緒に、公民権運動の中で成功した黒人としての責任について語り合う。

たまたま見かけたパン屋さんにマルコムXのポスターが貼ってあり、2/21は彼の命日だったなあと思い、観ようと持って観れていなかったこちらを鑑賞。

オリジナルは舞台劇ということもあって、終始ホテルの一室で繰り広げられる会話劇だった。
フィクションではあるらしいのだが、公民権運動の真っ只中、各界で著名な彼らがそれぞれどのような思いで生きていたかを知ることができる。
時には感情的に言葉をぶつけ合いながらもやはり同志であるという、確かな絆を感じられて感動した。
特にマルコムXの境遇は「知っている前提」で話が進むので、この辺りの知識がないとちょっと置いていかれるかも。スパイク・リーの「マルコムX」を先に観ることをお勧めしたい。

シリアスな空気ながらも「でっかい赤ちゃん」のようにわんぱくなカシアス(後のモハメド・アリ)に笑わされる。可愛い。
モハメド・アリのこと全然知らないのだけど、こんなにチャーミングな人だったのね。
そんなわんぱくカシアスの試合で血縁関係あるおじさんレベルで写真を撮りまくるマルコムXおじさんも微笑ましかった。

特に自らの死期を悟りつつあるマルコムXの焦燥感、なんとしても黒人を救わなければと全てを背負う姿が辛かった。
自分がいなくなっても、時代を率いていくことができる影響力のある人々を探していたのだろう。
途中の涙ぐみながらの訴えは、なんというか今のパレスチナの状況にも繋がって涙が出た。

スパイク・リーの「マルコムX」のラストにサム・クックのA Change Is Gonna Comeが流れて泣いたのだけど、
この作品を観た後だと余計にサム・クックがこの歌をリリースしたことの重みを感じて泣いてしまう。

レスリー・オドム・Jr.はこのサム・クックの役でオスカーノミネートされているのだけど、納得だった。
すごい。私はサム・クック好きで割とよく聴くんだけど、歌声があまりにサム・クックに似すぎてて最初本人の音源使ってるのかと思った。
あらためて本人とレスリー・オドム・Jr.のを聴き比べてみたんだけど、それでもやはり似ている。
特にA Change is Gonna Comeは似てるだけじゃなくて魂を感じる。素晴らしかった。
ちなみにレスリー・オドム・Jr.はハミルトンのアーロン・バーでした。全く気付かなかった。ヒップホップもソウルも自在に歌いこなすとは…!


(ジャッキー・ウィルソンのサム・クックへの嫌がらせ、実話なのかな??)