リーアム兄さん

ローズ島共和国 ~小さな島の大波乱~のリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
ジョルジオ「世界を変えるにはリスクも伴う。」

イタリア人エンジニアのジョルジオ・ローザ(エリオ・ジェルマーノ)は自分で車や飛行機を作っては警察に逮捕や調書を受けており、今の制限されている生活にうんざりしていた。そこでジョルジオは自分のやりたいことを制限されない、自分の国を作ろうと考え、イタリアリミニ沖の国際海域に「ローズ島」という島を作り、自らを大統領とし独立宣言を行う。当初は国際海域にある島として当局は存在を意識していなかったが、ジョルジオは国としての立ち位置を確固としたものとするために欧州評議会にコンタクトを取ったがためにイタリア政府も無視できなくなり、イタリア政府とローズ島との争いが始まる。果たしてジョルジオはローズ島を国として認めさせることができるのか。

1964年に実際に起こった個人が作った海上の島を巡る主権争いを基にした映画。

現実に個人が海上に島を作って独立宣言するなんてことが起こってたなんて全く知らなかったし、そんなことしようと思うことがすごいと思う。
また島を作るだけでなく、そこに漂流してきた人やイタリア本国、ヨーロッパ中から市民権を申請してきた人たちを受け入れ、市民を集め、パスポートも発行し、国として成立するための準備をしている。
作中に本当にジョルジオが作ったローズ島の写真が出てくるが、映画で再現されているものよりも規模が大きく、一人で建設したとは思えない。
もうすごい以外言いようがない…

この事件が国連が全世界の領海の範囲を6海里から12海里まで広げることになったきっかけとなったみたいで、自分の国はなくなったけど、世界のシステムを変えてしまったジョルジオに称賛を贈りたい。

「いつだってやめられる」シリーズの教授たちもだったけど、イタリアのインテリ層ってみんなぶっ飛んでんのかな?

イタリア語と音楽のリズムカルさに心地よく楽しむことができる映画でした!