リプリー

スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたちのリプリーのレビュー・感想・評価

3.8
劇場で見逃していたので、ようやく。
スタントウーマン。僕らは映画を見ているとき彼女たちの存在を意識することは、ほとんどないが当然彼女たちの貢献は非常に大きい。それは近年の超大作アクション、アメコミ映画はもちろん中規模のサスペンス映画、昔のモノクロ映画、海外ドラマなどでも同じだ。


燃えるシーンに塗るジェルや膝、肘に使うパッドなどの裏側に感心しつつも、大した安全対策もないままスタントをさせられ、かつ女性だからという理由で不遇な扱いを受けていた事実(そして男社会である現実は今も変わらない)にがく然とする。
それでも代役となる女優に似せるため体型づくりをしたり、性別なんて関係ないとトレードマークに打ち込む姿にはひたすらに感服する。
そして改めて彼女たちの活躍に心底、感嘆し、胸が打たれる。
「年とともに断ることを覚えた」という証言は何気ない一言だが、あまりに重い。

しかしながら、そんな中でも懸命に取り組む彼女たちのカッコ良さよ。
間違いなく本作を見たあとは、映画の見方が変わる。
映画好きなら必見の一本だと思う。
点数でいくとイマイチなの?と感じる人もいると思うが、言うまでもなく彼女たちの姿は点数をつけるなんておこがましいくらいに満点。