コンテナ店子

栗の森のものがたりのコンテナ店子のレビュー・感想・評価

栗の森のものがたり(2019年製作の映画)
1.5
 予告編見た時かなりアート寄りの映画なのかなと思って映画館に行きましたし、私はそれがすごく好きなので、そう言う映画を期待していました。ただ、率直な感想を言うと、かなり微妙な作品でした。

 特に問題に感じたのが音楽でした。キャラクターのセリフはけっこう絞り込まれてて、自然な音とかもけっこう聞こえてて静かな映画風に撮影されているのですが、なぜか冒頭のシーンがホラー映画みたいなやたらうるさくて怖いですよみたいな曲が流れてて意味が分からなかったです。
 主人公が暗い場所でただ座ってるだけで何も怖い物なんかないのになぜか変な曲が流れてて完全に合っていなかったです。合っていないといえば、あるキャラクターが出てくるたびに出しているSEみたいなのも、映画全体の雰囲気と全く合ってなくてイチイチうざかったです。

 後は映像も好きじゃなかったです。一部おしゃれだなと思うようなシーンはありますが、それが映画のストーリーの中に何も活かされていなかったです。ただ綺麗なだけでした。
 個人的には綺麗な映像よりも、抽象表現等を使ってストーリーを表現するのに使ったり、緊張感を高めるために不気味な物を映したりするなど、映画の中にしっかりと必要性を持たせた風景の方が好きです。
 この映画の風景にはそこに中身が何もなかったです。ただ綺麗なだけでした。
 あと、たぶんこの映画は自然の光で撮影することに出来るだけこだわっていたと思うのですが、そのせいでキャラクターの演技が見えないことが度々ありました。例えばヨルゴス・ランティモス監督の「女王陛下のお気に入り」なども自然の光だけで撮影していますが、別に映像が見えにくいと思ったことはなかったので、ただ撮影陣が怠けているだけに感じます。

 キャラクターも退屈だし、演技もそんなに良くないし、全体を通してつまらなかったです。久しぶりの映画館だったのでちょっと感度が鈍っていたのかもしれないですが、自分は好きじゃなかったです。
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