ツクヨミ

栗の森のものがたりのツクヨミのレビュー・感想・評価

栗の森のものがたり(2019年製作の映画)
3.9
アートアートしたビジュアルと気が遠くなりそうな幻想譚へ。
個人的に激推しな配給会社クレプスキュールーフィルムズさんの配給作品4弾が公開、またまたヨーロッパのマイナーそうな作品でけっこう楽しみに見に行った。
まずビジュアルに関して言えば光や自然のショットの多さからして"ミツバチのささやき"系譜なアートハウス映画なのは間違いない、また暗めな室内に差し込む光や緑豊かな草原に舞う光塵がリドリースコット作品みたいでキレイすぎる。もはやビジュアル眺めてるだけでうっとりさせられた、そんな繊細なアートハウスさが良いね。
それに対しストーリーというか説明のしなささが本当によくわからない、木に寄り添って寝ていたお爺さんが起こされて馬車に乗せられてから始まるが唐突なモンタージュの嵐で時系列がわけわかめなシークエンスがごちゃ混ぜに入れ替わる初見殺しさが際立つ。こういう類いの作品はほんとに映像で語る仕様であるし、見れば見るほど解釈が極まっていく鑑賞を重ねれば重ねるだけ味がわかるスルメ映画なんだろなと感じた。
あとは一応章立てというか二人の人物が交錯する場面が意外と大事なのかなと感じたり、作品の裏テーマとして孤独な二人の物語というのがしっくりきたというか。まあ全体的に実は"ノベンバー"くらい御伽噺チックな作品ではあるので最初はやんわりと深く考えずに楽しむのが良いかもね。
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