死にゆくマリオの夢のお話だったのだろうか。マルタとの遭遇は本当に現実だったのだろうか。妻への罪悪感がもたらした幻影だったんじゃなかろうか。マルタの夫はなぜオーストリアに留まっていたのだろう。だったらマルタを呼び寄せろよってね。薬も設備もなければ医者は無力だということ。でも死の宣告はできる。まあ薬品も器材もなければコトー先生だって看取る位しかできないよね。暗澹たるお話なのに映像のきれいなこと。幻想的な外の世界とバロック絵画のような光の使い方の室内描写。これは映像を堪能する映画だったのあろうか。まあどこの田舎も戦争に関係なく若者が離れていけばこういったことが起こるんじゃないのかなあ。まあ日本だと外国へは船か飛行機を使わなければばならないため高額な旅費が生じるけど、地続きの隣国へ行くのにいくらかかるというんだろう。国境越えというのはそれほどまでに高額なものなんだろうか。
