新潟の映画野郎らりほう

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021の新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

3.4
【大きさ】


「どこでもドア」を使い しずかちゃん宅を後にする のび太達。
立ち去る彼等を 手を振って見送るしずかちゃんの姿が、のび太達の側から切り取られる―。
「どこでもドア」が閉まり切る直前 ―もう しずかちゃんの相貌は確認出来ず 唯 手だけが ~ 彼等を見送り振られる手だけが ~ 今 閉まろうとしているドアの僅かな隙間に映し出される。
しずかちゃんの“その後”が暗示される 極めて映画的な“胸騒ぎ”の喚起である。

解り易い口頭科白や大仰な身振りで主力訴求層に十分に配慮しつつ、要所に於いては 科白を削り 僅かな所作行動で以て 心象を語る。

小さなパピに 包み込む様に添えられるジャイアンやしずかちゃんの掌。


スネ夫に 言葉無く差し出される「靴」 ― 範を示す ― その簡潔な“無言実行”を前に 『人の大きさとは 年齢の寡多では無い』事を思い識る。

こども、小さな異星人、スモールライト ― 各因子共精良。

ここには『小さなこども達に対する敬意』で溢れている。




《劇場観賞》